就労移行支援事業所C-POWER
WorkingSupportドーラ
「読書を楽しもう」の講義

 

岐阜県多治見市にある「C-POWER WorkingSupport ドーラ」は身体、知的、精神などの何らかの障害がある18歳から65歳の方が就労を目指して取り組む就労移行支援事業所です。

ドーラ(DOLA)とは、「Design Of Life Academy」の頭文字をとって名付けた事業所で、障害のある方が自分自身のこれからの人生と向き合い、生きるために何を学び、社会の中でどう自立して生きていくかを考え、「自分の人生設計をしていく場」です。

元気な朝の挨拶、頭の体操の10分間チャレンジ、ラジオ体操で健康づくり、教養誌を使った輪読と感想の発表で自分の考えを伝える訓練、みんなで同じ課題に取り組む時間、一人ひとりが自分の課題に取り組む時間、時計を見ながら自分で今は何をする時間か考えて行動していきます。

今回は、毎月1回のカリキュラム中から「読書を楽しもう」をご紹介します。

【読書を楽しもう】

この講義はその名の通り、集中して本を読む時間です。読書にはたくさんのメリットがあります。読書を続けていると、脳の活性化が増進し、記憶力や集中力が向上します。小中学生の頃には朝読書の時間がある学校がとても多いですね。また、幼稚園や保育園でも絵本の読み聞かせや絵本の時間があり、本と関わる時間を大切にしながら私たちは成長してきました。読書を続けていると、脳のつながりが強化され、長生きにもつながります。また、読書をすることでストレスレベルを低下させ、加齢による認知力の低下を防ぐこともできると言われています。こんなにも良いことがいっぱいの読書ですが、大人になるにつれて本を読む機会が減ってしまう方もいらっしゃいます。ドーラでは、1日おきに読書の時間を設け、また毎月1回は図書館へ行く講義と読書をする時間を作って、「読書を習慣化する」ことに力を入れています。習慣にするにはいつも本が目に入る位置にあることが大切です。では、読書でどんな効果があるか考えてみましょう。

1. 読書は脳のつながりを強化する

読書は脳内の異なる分野間の新たなつながりを促進します。2013年のある研究では、小説を読むことで脳の言語処理を司る分野間でコミュニケーションが増えることが分かりました。感覚情報を処理する体性感覚野にも長期的な変化をもたらすのです。

アメリカのニューヨークにあるレノックス・ヒル病院の臨床心理士サブリナ・ロマノフ(Sabrina Romanoff)氏は、読書が脳内でニューロンを作ると言う。「神経発生」と呼ばれるプロセスです。ニューロンは脳内の異なる分野間でメッセージを送り、情報を伝達する細胞のことです。

「思考、考察、読解力を必要とする読書は、脳内における新たなニューロンの発生につながります」とロマノフ氏。「こうしたニューロンは新たなニューロン結合を増やし、処理スピードを加速させるのです」

2. 読書は加齢による認知力の低下を防ぐ

認知力には学習したり、記憶したり、判断をする能力が含まれます。注意力と記憶力は、最も年齢による影響を受けやすい認知機能です。科学者たちは、読書が加齢による認知力の低下を食い止め、認知機能を守ると考えています。2020年に発表された14年間に及ぶ研究では、週に1回以上読書をする人は6年後、14年後に認知力が低下している可能性が低いことが分かりました。14年後、頻繁に読書をする高齢者はそうでない高齢者に比べ、認知力が低下するリスクが減ったといいます。読書は認知症のリスクの低下にもつながるようです。中国で行われた2018年の大規模な研究では、65歳以上の人々を5年間追跡し、読書といった知的活動への晩年の参加が数年後の認知症リスクの低下と関係していることが分かったのです。

3. 読書はストレスレベルを低下させる

これまでの研究で、30分間の読書がストレスの身体的、精神的サインを減少させることが分かりました。2009年の大学生を対象とした研究では、ヨガ、ユーモラスな動画、読書がストレスレベルに与える影響を比較してみました。その結果、30分間ニュースを読んだ学生の心拍数や血圧といったストレスマーカーが、読書を始める前に比べて低下したことが分かったのです。ストレス調査でもスコアが下がったといいます。同研究は、「ニュートラルな」読み物 —— 強い感情を引き起こさないもの —— は人をリラックスさせ、交感神経の緊張を鎮めると結論付けています。 ただ、ニュースを読むことが誰にとってもリラックスできることとは限りません。小説や短編作品、その他の読み物を選んでもいいようです。

4. 読書は長生きにつながることも

読書は脳の健康に良いだけでなく、長生きにもつながります。2017年に発表された12年間に及ぶ大規模な研究では、読書をする人の死亡リスクは読書をしない人に比べて20%低いことが分かったのです。読書をするだけで寿命が延びるわけではないでしょうが、読書は一般的に、健康的なライフスタイルと関連していて、早すぎる死のリスクを低下させる可能性があるというのです。

5. 読書は記憶力と集中力を向上させる

脳は筋肉ではありませんが、エクササイズから恩恵を受けます。ウエイトリフティングがわたしたちのからだを強くするように、読書はわたしたちの記憶力や集中力を鍛えてくれます。努力を要するプロセスなのです。読書をする時、人は書かれたテキストから「心象地図」を作ります。この心象地図が読んだ言葉の処理を助け、知識や記憶を思い出す役に立つのです。ロマノフ氏は、定期的な読書というルーティンが精神機能の「訓練」に役立つと言っています。高齢の男女を対象とした2013年の研究では、読書や作文といった精神的に困難な活動に関わった人は、そうでない人に比べて、記憶力の低下が遅いことが分かった。

読書を習慣づけるには

栄養精神科医で、マサチューセッツ総合病院の栄養・生活習慣精神科の責任者ウマ・ナイドー(Uma Naidoo)氏は、読書をもっとするために最も簡単な方法は、日々の生活にスケジュールとして組み込むことだと話しています。まさにドーラでの訓練ですね。どのように食べ、眠り、運動をするかといった脳の健康を増進する他の活動と同じように、わたしたちは読書のためのスペースを作る必要があります。確実に読書をするために、例えばベッドに入る前や午後の休憩中の30分または1時間を(読書のために)取っておくと良いでしょう。

もっと読書をするためには、

  • 旅行や通勤に本を持って行く
  • 毎朝、ニュースを読む
  • 自分がもっと知りたいと思うテーマ、関心のあるテーマに関する本を読む
  • 映画版を観る前に原作を読む
  • 図書カードを入手する
  • 忍耐強く取り組む —— 他のスキル同様、読書も身につくまでには時間がかかる

読書を通して、自分の時間を見出し、自身の成長につなげてみませんか。